2022年11月9日の日経産業新聞に、『「産後パパ育休(出生時育児休業制度」が10月、始まった』という記事が掲載されていました。内容は新たに創設されて出生時育児休業制度の内容やその手続について記載されていました。
改正育児・介護休業法で創設された制度なので、2023年の社労士試験では、外せない内容になりそうです。この記事では、出生時育児休業制度について調べました。
厚生労働省のパンフレットが分かりやすい
厚生労働省のパンフレットが分かりやすいです。これに条文番号まで入れてくれると勉強にはとても助かるんですが、条文は自分で確認するようにしましょう。
厚生労働省のHPはこちら。
パンフレットはこちら。
特にパンフレットの従前の育児休業、改正後の育児休業、今回創設されて出生時育児休業法の比較表は、そのまま予備校のテキストに載せられるような表で分かりやすいです。

出生時育児休業の最大の特徴は、休業中に就業することが可能という点です。
また通常の育児休業についても分割取得が可能となる改正がされていますので、2023年の社労士試験に向けては超重要論点です。
また、選択対策でも育児休業の取得率なども重要になってくるんでしょうね。そのほか、1000人以上の企業が男性の育児休業の取得状況などを年1回公表することが2023年4月から義務になります。この「1000人以上」という数字も覚えておいたほうがよさそうです。
条文の記載を確認しておきましょう。
取得対象期間、日数(第9条の2)
第九条の二 労働者は、その養育する子について、その事業主に申し出ることにより、出生時育児休業(育児休業のうち、この条から第九条の五までに定めるところにより、子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日まで(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては当該出生の日から当該出産予定日から起算して八週間を経過する日の翌日までとし、出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては当該出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日までとする。次項第一号において同じ。)の期間内に四週間以内の期間を定めてする休業をいう。以下同じ。)をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、その養育する子の出生の日(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては、当該出産予定日)から起算して八週間を経過する日の翌日から六月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができる。
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
取得できる時期と期間は以下の通りです。
- 取得できる時期は、出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日まで
- 予定日前に出産した場合は、出生日~出産予定日から起算して8週間
- 予定日後に出産した場合は、出産予定日~出生日から起算して8週間
- 取得できる期間は4週間以内
2 前項の規定にかかわらず、労働者は、その養育する子について次の各号のいずれかに該当する場合には、当該子については、同項の規定による申出をすることができない。
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
一 当該子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日までの期間(当該子を養育していない期間を除く。)内に二回の出生時育児休業(第四項に規定する出生時育児休業申出によりする出生時育児休業を除く。)をした場合
二 当該子の出生の日(出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては、当該出産予定日)以後に出生時育児休業をする日数(出生時育児休業を開始する日から出生時育児休業を終了する日までの日数とする。第九条の五第六項第三号において同じ。)が二十八日に達している場合
第9条の2の2項では以下の場合には、当該育児休業は取得できないとされています。
- 2回の出生時育児休業を取得した場合
- 28日に達している場合
言い換えれば、「28日までで、分割して2回まで取得できる」ということです。
出生時育児休業期間中の就業可能日数、時間(9条の5)
第九条の五
2 出生時育児休業申出をした労働者(事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、出生時育児休業期間中に就業させることができるものとして定められた労働者に該当するものに限る。)は、当該出生時育児休業申出に係る出生時育児休業開始予定日とされた日の前日までの間、事業主に対し、当該出生時育児休業申出に係る出生時育児休業期間において就業することができる日その他の厚生労働省令で定める事項(以下この条において「就業可能日等」という。)を申し出ることができる。4 事業主は、労働者から第二項の規定による申出(前項の規定による変更の申出を含む。)があった場合には、当該申出に係る就業可能日等(前項の規定により就業可能日等が変更された場合にあっては、その変更後の就業可能日等)の範囲内で日時を提示し、厚生労働省令で定めるところにより、当該申出に係る出生時育児休業開始予定日とされた日の前日までに当該労働者の同意を得た場合に限り、厚生労働省令で定める範囲内で、当該労働者を当該日時に就業させることができる。
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
出生時育児休業では、休業期間において就業することが可能となっています。
ただし、無制限に就業できるわけではなく以下の制限がつきます。
- ①労使協定で「出生時育児休業期間中に就業させることができるものと定められた労働者」
- ②厚生労働省令で定める範囲内の日数、時間に限定される
- ③労働者が申し出て同意した範囲に限られる
②の日数や時間は具体的には育児休業介護休業法施行規則で定められています。
(法第九条の五第四項の厚生労働省令で定める範囲)
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則
第二十一条の十七 法第九条の五第四項の厚生労働省令で定める範囲は、次のとおりとする。
一 就業させることとした日(以下この条において「就業日」という。)の数の合計が、出生時育児休業期間の所定労働日数の二分の一以下であること。ただし、一日未満の端数があるときは、これを切り捨てた日数であること。
二 就業日における労働時間の合計が、出生時育児休業期間における所定労働時間の合計の二分の一以下であること。
三 出生時育児休業開始予定日とされた日又は出生時育児休業終了予定日とされた日を就業日とする場合は、当該日の労働時間数は、当該日の所定労働時間数に満たないものであること。
つまり、就業可能な日数、時間の上限の決まりは以下の通りです。
- 休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
- 休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満
雇用保険の改正にも注意
育児休業を取得することができるということを「育児介護休業法」で定めていて、その休業中の所得保障を「雇用保険法」でケアしている関係にあります。
そのため、今回の出生時育児休業の創設で、雇用保険法も改正され、「出生時育児休業給付金」が創設されています(雇用保険法第61条の8)。

労働一般では、外れない論点です。
取得時期、日数、就労可能な条件などの上記のほかにも、手続なども押さえておく必要がありそうです。
雇用保険法でも改正がありますのでここも外せません。


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