令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査

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令和4年11月25日に「令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査」が公表されています。

今回はその概況版である「令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況」を見ていきます。

厚生労働省が令和4年11月25日に公表

厚生労働省の発表ページはこちら。⇒リンク

労務管理その他の労働及び社会に関する一般常識での出題には当然入ってくる資料です。

統計調査は択一式でのお決まりの上位3位シリーズに注意しながら読んでいきましょう。

資料がほとんどの項目が「無期雇用パートタイム」「有期雇用パートタイム」「有期雇用フルタイム」の3本立てになっているので、読みこなすのがなかなか難しいですね。

パートタイム・有期雇用労働者の雇用状況

まずは、パートタイム・有期雇用労働者を雇用している企業の割合です。

パートタイム・有期雇用労働者を雇用している75.4%
 無期雇用パートタイムを雇用している51.4%
 有期雇用パートタイムを雇用している27.1%
 有期雇用フルタイムを雇用している23.2%
令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P6より

3/4の企業でパートタイムか有期雇用労働者のいずれかを雇用しているという結果になっています。
有期雇用パートタイムを雇用しているというのが27.1%というのは個人的に多いなあと思いました。

一般的なアルバイトやパートって期間を定めて雇用っていうイメージはないので27.1%の企業で有期雇用パートタイムというのは意外でした。

パートタイム・有期雇用労働者を雇用する理由上位3位

ここからは、「無期パート」(無期雇用パートタイム)、「有期パート」(有期雇用パートタイム)、「有期フル」(有期雇用フルタイム)と省略して記載していきます。

無期パート有期パート有期フル
1位1日の忙しい時間帯に対処するため定年退職者の再雇用のため定年退職者の再雇用のため
2位人を集めやすいため1日の忙しい時間帯に対処するため経験・知識・技能のある人を採用したいため
3位仕事内容が簡単なため仕事内容が簡単なため正社員の代替要員の確保のため
令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P7より

これで有期パートが多い理由が分かりました。定年再雇用だと65歳までとか決まっているからですね。

有期雇用フルタイムの1位の「定年退職者の再雇用のため」というのが61.9%と断トツですが、それ以外は25%~40%ぐらいの割合で拮抗しているような状況です。

手当等、各種制度の実施、福利厚生施設の利用

非正規雇用にも実施されている1位は通勤手当

無期パート有期パート有期フル
1位通勤手当(60.7%)通勤手当(73.3%)通勤手当(78.1%)
令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P8より

これは何となく納得感のある上位3位でした。

正社員との比較

共通で比較的割合が高いもの

  • 「給食施設(食堂)の利用」「休憩室の利用」「更衣室の利用」などの福利厚生施設の利用については正社員と比べて9割程度、
  • 「通勤手当」は8割程度
  • 「法定外の休暇(夏季冬季休暇や病気休暇など)」「慶弔休暇」は6~8割程度
  • 「定期的な昇給」「人事評価・考課」「賞与」は4~6割程度の実施
令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P8より

さすがに、福利厚生施設については、使わせないというのはあまり現実的でないので9割程度と高くなっています。

比較的割合が低いもの

無期パート役職手当・家族手当・住宅手当・企業年金:いずれも1割程度
有期パート役職手当・住宅手当・退職金:いずれも1割程度
有期フル役職手当・企業年金:3割程度
退職金:2割程度
令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P8より

通勤手当以外の手当や退職金、企業年金は正規と非正規でやはり大きく格差があります。

無期パートの退職金がランキングに入ってきていないのは、正社員に実施が54.9%、無期パートにも実施が10.9%と正社員比では2割程度あるためです。
無期パートを使う小売、サービス業などは零細企業も多く正社員に退職金がないという企業も多いということでしょう。

教育訓練の実施状況

実施割合が高い教育訓練

無期パートOJT:40.6%
有期パートOJT:47.8%
有期フルOJT:46.9%
令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P9より

これは正社員も同じでしょう。OJT(日常的な業務を通じた計画的な教育訓練)がトップでした。

意外だったのは、このOJTを正社員に実施している割合が53.6%~64.1%と正社員に対してもそれほど高くないということです。
日常的な指導はしていても「計画的な教育訓練」と言えるようのものは正社員に対してもやっていない会社というのが多いようです。

正社員との比較

3つの就業形態で共通で

  • 高いもの:日常的な業務を通じた計画的な教育訓練(OJT)・入職時のガイダンス(Off-JT)は正社員比7割程度
  • 低いもの:将来のためのキャリアアップのための教育訓練(Off-JT)は4割を下回っている

    という状況でした。(いずれも令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P9より)

    パートタイム・有期雇用労働者の正社員転換制度

    転換制度があるのは4割~半分程度

    正社員転換について制度ありとして企業の割合は4割~半分程度です。

    制度あり
    無期パート41.8%
    有期パート42.2%
    有期フル50.1%
    令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P10より

    正社員に転換するに当たっての基準の上位3位

    • 1位:人事評価の結果
    • 2位:所属する部署の上位の推薦
    • 3位:職務経験年数

      逆に低かったのは、「職場内の格付け等級制度における(一定の)位置づけ」と「筆記試験の結果」です。(令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P10より)

      転換の希望と転換者

      希望者がいた転換した者がいた
      無期パート28.1%17.1%
      有期パート26.9%14.4%
      有期フル33.8%25.6%
      令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P10より

      希望者がいた企業の2/3ぐらいしか実際に転換した者がいた企業はないようです。

      正社員と職務が同じパートタイム・有期雇用労働者の状況

      同一労働、同一賃金に関連する項目の調査です。

      正社員と職務が同じであるパートタイム・有期雇用労働者がいる: 21.5%

      そのうちで正社員との賃金との比較では

      • 正社員と同じ賃金:46.9%
      • 正社員より低い:41.3%
      • 正社員より高い:7.4%
        (令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P11より)

      同一労働、同一賃金なのは半分弱という結果になっています。

      現在の就業形態を選んだ理由

      働く側のアンケートも実施されています。

      その就業形態についた理由について、基本的には「自分の都合の良い時間(日)に働きたいから」で男性の有期雇用フルタイムだけは「正社員を定年退職した後に再雇用されたから」が1位となっています。

      男女別、現在の就業形態を選んだ理由の1位

      無期パート自分の都合の良い時間(日)に働きたいから自分の都合の良い時間(日)に働きたいから
      有期パート自分の都合の良い時間(日)に働きたいから自分の都合の良い時間(日)に働きたいから
      有期フル正社員を定年退職した後に再雇用されたから自分の都合の良い時間(日)に働きたいから
      令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P19より

      就業調整の有無、理由

      就業調整をしているのは2割以下と、「終業調整していない」が「就業調整している」を大きく上回っています。

      男女別就業調整している理由第1位

      無期パートその他配偶者の健康保険、厚生年金保険の被扶養者からはずれ、自分で加入しなければならなくなるから
      有期パート所得税の非課税限度額を超えると税金を払わなければならないから配偶者の健康保険、厚生年金保険の被扶養者からはずれ、自分で加入しなければならなくなるから
      有期フル年金の減額率を抑える、又は減額を避けるため税制上の配偶者控除が無くなり、配偶者特別控除が少なくなるから
      令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況 P22より

      やはり、社会保険や税金など就労の妨げとなっている制度は見直していかないとダメでしょうね。

      こういった調査は概況版の本文がそのまま択一式にでることが多いので独学者は厚労省の統計、白書のページで公表されている最近公表の統計資料で社会保険や労務管理に関係するものを確認しておいた方がよいでしょう。

      厚労省のリンクはこちら⇒リンク

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