【ニュースネタ】2022/11/18 東大、女性教員5割増 27年度までに 300人採用、多様性向上⇒ポジティブアクション

11月18日のテーマのポジティブアクション ニュースより

2022年11月18日の日経新聞の朝刊に、「東大、女性教員5割増 27年度までに 300人採用、多様性向上」という記事が載っていました。

社労士試験では、労働に関する一般常識の男女雇用機会均等法での論点になりますね。

男女差別は原則禁止

記事の内容は、東大が『経済協力開発機構(OECD)加盟国の高等教育機関の女性教員比率は平均で45%だ。日本は最低の30%で、東大の16%は国内でも特に低い水準にある。』という状況を改善するために、『ポストの新設女性限定の公募』といった手法で、『2027年度までに女性の教授・准教授約300人を採用する計画を固めた。』というもの。

東大の教授を目指す男性からは、これは男女差別ではないの?という気がしなくもありません。

職場での男女差別は原則として禁止されている

労働基準法では、性別による差別は賃金のみ禁止されている

労働基準法では、第4条で「(男女同一賃金の原則)使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」とされています。

社労士の典型論点ですが、労働基準法では、男女の差別は賃金についてのみ禁止されています。それ以外は労働基準法では禁止されていません。そして、第4条は賃金の差別について、女性を不利に扱う場合だけでなく女性を有利に扱いことも禁止されている規定になります。

賃金以外については、労働基準法では男女の差別を禁止していませんが、別途、男女雇用機会均等法(「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」)で定められています。

男女雇用機会均等法での女性差別の禁止

(性別を理由とする差別の禁止)
第五条 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
第六条 事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練
 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの
 労働者の職種及び雇用形態の変更
 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新
(性別以外の事由を要件とする措置)
第七条 事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 | e-Gov法令検索

男女雇用機会均等法では、第5条、第6条で直接差別の禁止が定められています。
このなかで、「募集及び採用」「配置、昇進」での男女差別が禁止されています。これらは、労働基準法の賃金の差別と同様に、女性を有利に取り扱うことも禁止されています。

ちなみに、福利厚生の住宅関係で、「男性は寮、女性は家賃手当」は差別に該当しますので要注意。借りる手間やトラブルの手間がかかるので差別という扱いで、「男性は寮、女性は借り上げ社宅」はOKです。

東大の『ポストの新設女性限定の公募』は男女差別に該当して許されないように思えますが、男女雇用機会均等法第8条では、その例外としてポジティブアクションが認められています。

男女雇用機会均等法8条 女性労働者に係る措置に関する特例

男女雇用機会均等法では男女差別の例外として、ポジティブアクションについては、違法とはならない旨が第8条で定められています。

(女性労働者に係る措置に関する特例)
第八条 前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 | e-Gov法令検索

ポジティブアクションとは、「男女の固定的な役割分担意識、過去の雇用管理における取扱い、男性中心の職場慣行などがもとになって男女労働者の間に事実上生じている差の解消を目指した個々の企業が進める自主的かつ積極的な取組」です。

この取り組みには、「女性のみを対象とする又は女性を有利に取り扱う取組」「男女両方を対象とする取組」があります。

過去の雇用管理の取り扱いで自分たちの上の世代で男性が有利になっていたしわ寄せで、不利益に扱われる今の世代の男性からすると納得しがたい部分もありますが、どこかの世代で無理やりでも改善しないとよくなっていかないですから仕方ありません。
管理職への昇進などで女性が優遇されるなど、ここでも氷河期世代というのはつくづく大変な世代だなと思います。

まとめ

原則
  • 労働基準法の第4条で賃金のみ男女差別が禁止されている。
  • 男女雇用機会均等法の第5条、第6条で直接差別が禁止されている。
  • 男女雇用機会均等法の第7条で間接差別が禁止されている。
ポジティブアクション
  • 男女雇用機会均等法の第8条で女性労働者に係る措置に関する特例(ポジティブアクション)が認められている。

今回は、男女差別でした。

差別とは、不利に取り扱うことだけでなく、有利に取り扱うことも該当します。

男女雇用機会均等法は労働に関する一般常識の範囲なので押さえておく必要があります。

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