2022年11月24日の日経新聞の記事に「瀬戸際の介護(4)離職は仕方ない?(迫真)終」という記事がありました。
瀬戸際の介護(4)離職は仕方ない?(迫真)終
記事の概要
記事の内容は、『介護離職の防止は優秀な人材の流出に悩む企業にとって大きな課題』であるが、『介護含め多様な働き方を支援する制度づくり』『介護休暇として利用できる積み立て式の有給休暇』などの取り組みを進めている企業はまだ少数派であるというもの。
介護休業、介護休業給付金
介護に関しては、育児・介護休業法(「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)では、介護休業が認めれており、その間の所得補填として雇用保険法の定める介護休業給付金が設けられています。
介護休業、介護休業給付金って何のためのもの?
介護休業、介護休業給付金の概要
介護休業は、「労働者が、その要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業」として育児・介護休業法で認められています。
対象家族一人について、3回まで、かつ通算93日まで介護休業が認められます。
その間の所得の補填として、雇用保険法で介護休業給付金として賃金日額の100分の67が給付されます。
介護休業は93日となぜ短い?
育児休業は子供が1歳に達するまでで、保育園が見つからない場合などはさらに伸びて最大2歳に達するまでの2年間に対して、介護休業は93日と非常に短い日数となっています。
介護といえば、先が見えないイメージなのに、93日というのは短いように思います。
この点、介護休業は本人が介護することを前提としたものではなく、介護サービスなどを利用して本人が仕事を続けるための準備のために一時的に自ら介護する期間として設けられているものであるため、93日と短い日数となっています。
厚生労働省のHPでは以下のように記載されています。
介護休業制度は、介護を要する家族を抱えた労働者が雇用を継続していくためには、少なくとも介護に関する長期的な方針を決めるまでの間、当面家族による介護がやむを得ない期間について、緊急的対応措置として、休業ができるようにすることが必要であるという観点から創設されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/otoiawase_roudousya.html
よって、「93日」という期間は、介護に関する長期的方針を決めるための期間と考えてください。
家族の介護は、いつまで必要か終わりが見えません。また、介護の必要度や利用する介護サービス、兄弟姉妹が何人いるかなど、人によって介護を取り巻く状況は様々ですので、働き方や介護サービスについて勤務先、ケアマネジャー等介護の専門家とよく相談し、介護のための所定労働時間の短縮措置勤務や1日単位で利用できる介護休暇制度も活用しながら、仕事と介護を両立させてください。
対象の家族
対象は、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫と配偶者の父母です。配偶者の祖父母は対象になりません。

配偶者の祖父母は対象にならない、というのは社労士試験では定番の論点です。
介護休暇
上記の厚労省のHPの記載で「1日単位で利用できる介護休暇制度も活用」とあります。介護休業と介護休暇、似たような名前ですが、介護休業とは別の制度です。
介護休業は、すでに書いたように、介護に関する長期的方針を決めるための期間に介護するために通算93日、3回まで休業できるものです。
介護休暇は、「要介護状態にある対象家族の介護その他の厚生労働省令で定める世話を行う労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において五労働日(要介護状態にある対象家族が二人以上の場合にあっては、十労働日)を限度として、当該世話を行うための休暇を取得することができる。」ものです。
なお、介護休暇は、年次有給休暇と違い、「賃金の支払い義務はない」「事業主の時季変更権は認められない」「1日未満の取得が可能」という特徴があります。
これらは、子の看護休暇も同様です。
賃金の支払いは法律上は義務でないので、賃金を支払うかどうかは企業の判断に委ねられています。
事業主の時季変更権が認められないので、取得の申出があれば事業主は拒むことができません。

今日は介護休業についてでした。
介護休業の趣旨が分かると日数が93日と短いことも理解しやすいと思います。


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