市販テキストで択一式突破できるか、労働基準法及び労働安全衛生法の後半戦です。
問6~問10
問6 賃金等
〔問 6〕 労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア 通貨以外のもので支払われる賃金も、原則として労働基準法第12 条に定める平均賃金等の算定基礎に含まれるため、法令に別段の定めがある場合のほかは、労働協約で評価額を定めておかなければならない。
イ 賃金の支払期限について、必ずしもある月の労働に対する賃金をその月中に支払うことを要せず、不当に長い期間でない限り、賃金の締切後ある程度の期間を経てから支払う定めをすることも差し支えない。
ウ 労働基準法第25 条により労働者が非常時払を請求しうる事由の1 つである「疾病」とは、業務上の疾病、負傷であると業務外のいわゆる私傷病であるとを問わない。
エ 「労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合においても、その支払についてはなお同条〔労働基準法第24 条〕が適用され、使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず、したがつて、右賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないが、国家公務員等退職手当法〔現在の国家公務員退職手当法〕による退職手当の給付を受ける権利については、その譲渡を禁止する規定がない以上、退職手当の支給前にその受給権が他に適法に譲渡された場合においては、国または公社はもはや退職者に直接これを支払うことを要せず、したがつて、その譲受人から国または公社に対しその支払を求めることが許され
る」とするのが、最高裁判所の判例である。オ 労働基準法第27 条に定める出来高払制の保障給について、同種の労働を行っている労働者が多数ある場合に、個々の労働者の技量、経験、年齢等に応じて、その保障給額に差を設けることは差し支えない。
A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
⇒個数問題なので、正答は困難。
問7 労働時間
〔問 7〕 労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 使用者は、労働基準法別表第1 第8 号(物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業)、第10 号のうち映画の製作の事業を除くもの(映画の映写、演劇その他興行の事業)、第13 号(病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業)及び第14 号(旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業)に掲げる事業のうち常時10 人未満の労働者を使用するものについては、労働基準法第32 条の規定にかかわらず、1 週間について48 時間、1 日について10 時間まで労働させることができる。
B 労働基準法第32 条の2 に定めるいわゆる1 か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結することにより採用する場合、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ないときは1 か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。
C 医療法人と医師との間の雇用契約において労働基準法第37 条に定める時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意がされていた場合、「本件合意は、上告人の医師としての業務の特質に照らして合理性があり、上告人が労務の提供について自らの裁量で律することができたことや上告人の給与額が相当高額であったこと等からも、労働者としての保護に欠けるおそれはないから、上告人の当該年俸のうち時間外労働等に対する割増賃金に当たる部分が明らかにされておらず、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができないからといって不都合はなく、当該年俸の支払により、時間外労働等に対する割増賃金が支払われたということができる」とするのが、最高裁判所の判例である。
D 労働基準法第37 条第3 項に基づくいわゆる代替休暇を与えることができる期間は、同法第33 条又は同法第36 条第1 項の規定によって延長して労働させた時間が1 か月について60 時間を超えた当該1 か月の末日の翌日から2 か月以内の範囲内で、労使協定で定めた期間とされている。
E 年次有給休暇の権利は、「労基法39 条1 、2 項の要件が充足されることによつて法律上当然に労働者に生ずる権利ということはできず、労働者の請求をまつて始めて生ずるものと解すべき」であり、「年次〔有給〕休暇の成立要件として、労働者による『休暇の請求』や、これに対する使用者の『承認』を要する」とするのが、最高裁判所の判例である。
- 正解D:テキストP49で代替休暇が重要度Cで記載され、欄外発展で『当該1か月の末日の翌日から2か月以内』の記載あり
- 正解以外
- A:P34で法定労働時間の特例で『1週間に44時間、1日について8時間』の記載あり
- B:P41で変形労働時間制のまとめの表で1か月単位の場合は『労使協定又は就業規則』と赤字で記載
- C:テキストには記載なし。当該記述は医療法人社団康心会事件で最高裁に破棄されて東京高裁判決。
- E:テキストP64の欄外発展でこの判例が記載され『年次有給休暇の成立要件として、労働者による休暇の請求や、これに対する使用者の承認の観念を容れる余地はない』との記載あり
⇒ 解答はやや困難で、3択ぐらいまでしか絞れない可能性大。
問8 安全管理体制
〔問 8〕 下記に示す事業者が一の場所において行う建設業の事業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、この場所では甲社の労働者及び下記乙①社から丙②社までの4 社の労働者が作業を行っており、作業が同一の場所において行われることによって生じる労働災害を防止する必要がある。
甲社 鉄骨造のビル建設工事の仕事を行う元方事業者
当該場所において作業を行う労働者数 常時5 人
乙①社 甲社から鉄骨組立工事一式を請け負っている事業者
当該場所において作業を行う労働者数 常時10 人
乙②社 甲社から壁面工事一式を請け負っている事業者
当該場所において作業を行う労働者数 常時10 人
丙①社 乙①社から鉄骨組立作業を請け負っている事業者
当該場所において作業を行う労働者数 常時14 人
丙②社 乙②社から壁材取付作業を請け負っている事業者
当該場所において作業を行う労働者数 常時14 人A 甲社は、統括安全衛生責任者を選任しなければならない。
B 甲社は、元方安全衛生管理者を選任しなければならない。
C 甲社は、当該建設工事の請負契約を締結している事業場に、当該建設工事における安全衛生の技術的事項に関する管理を行わせるため店社安全衛生管理者を選任しなければならない。
D 甲社は、労働災害を防止するために協議組織を設置し運営しなければならないが、この協議組織には自社が請負契約を交わした乙①社及び乙②社のみならず丙①社及び丙②社も参加する組織としなければならない。
E 甲社は、丙②社の労働者のみが使用するために丙②社が設置している足場であっても、その設置について労働安全衛生法又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行わなければならない。
- 正解C:店社安全衛生管理者の記載はテキストになし
- 正解以外
- A、B:テキストP120で『事業場の規模』『常時50人以上』で統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者の選任の記載あり
- D:テキストP105で、『協議組織の設置及び運営』の欄外発展で『すべての関係請負人が参加』の旨記載されている
- E:テキストで具体的な記載はなし
⇒テキストでも、CかEの2択までは絞れる。
問9 作業主任者
〔問 9〕 労働安全衛生法に定める作業主任者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 労働安全衛生法施行令第6 条第18 号に該当する特定化学物質を取り扱う作業については特定化学物質作業主任者を選任しなければならないが、作業が交替制で行われる場合、作業主任者は各直ごとに選任する必要がある。
B 特定化学物質作業主任者の職務は、作業に従事する労働者が特定化学物質に汚染され、又はこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮することにあり、当該作業のために設置されているものであっても、局所排気装置、除じん装置等の装置を点検することは、その職務に含まれない。
C 労働安全衛生法施行令第6 条第18 号に該当する特定化学物質を取り扱う作業については特定化学物質作業主任者を選任しなければならないが、金属製品を製造する工場において、関係請負人の労働者が当該作業に従事する場合、作業主任者は元方事業者が選任しなければならない。
D 事業者は、作業主任者を選任したときは、当該作業主任者の氏名及びその者に行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知するよう努めなければならないとされている。
E 労働安全衛生法第14 条において、作業主任者は、選任を必要とする作業について、経験、知識、技能を勘案し、適任と判断される者のうちから、事業者が選任することと規定されている。
作業主任者については、P117で重要度Cで選任が必要な旨が記載されているのみで上記に対応するような詳細な記載はない。
⇒解答は困難。
問10 安全委員会等
〔問 10〕 労働安全衛生法に定める安全委員会、衛生委員会及び安全衛生委員会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 衛生委員会は、企業全体で常時50 人以上の労働者を使用する企業において、当該企業全体を統括管理する事業場に設置しなければならないとされている。
B 安全委員会は、政令で定める業種に限定してその設置が義務付けられているが、製造業、建設業、運送業、電気業、ガス業、通信業、各種商品小売業及び旅館業はこれに含まれる。
C 安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないとされている場合において、事業者はそれぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができるが、これは、企業規模が300 人以下の場合に限られている。
D 安全委員会及び衛生委員会の委員には、労働基準法第41 条第2 号に定める監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者を選任してはならないとされている。
E 事業者は、安全衛生委員会を構成する委員には、安全管理者及び衛生管理者のうちから指名する者を加える必要があるが、産業医を委員とすることについては努力義務とされている。
- 正解B:テキストP117で、安全委員会についての要件があり参照先のP109で『製造業』『建設業』『運送業』『各種小売業』『旅館業』は赤字で『電気業』『ガス業』『通信業』は黒字で記載あり
- 正解以外
- A:テキストP117で事業場に設置義務がある旨の記載あり
- C:テキストP119 で安全衛生委員会の記載あり。
- D:テキストP118で委員の選任の記載あるが管理監督者の除外の旨の記載はない
- E:テキストP118 で産業医は必置の旨の記載あり。
⇒市販テキストで正答可能。
市販テキストでは5問~6問程度は正解可能
問1、問2、問3、問5、問10 はテキストでも解答が可能でした。
問6の個数問体と問9の作業主任者は解答が困難でした。
残りの問4、問7、問8は、2択か3択までは絞れるので、ここで1問ぐらいは正解できるとして、「労働基準法及び労働安全衛生法では5問~6問が正解できる」という結果になりました。

今回は、択一式の労働基準法及び労働安全衛生法について、市販テキストで突破できるか見て決ました。足切りの4点は十分確保できそうです。ただ、7割は市販テキストでは少し難しいという結論となりました。
次回は第2回労働者災害補償法(労災法)です。



コメント