市販テキストで択一式突破できるか、労働者災害補償法の後半戦です。
問6~問10
問6 通勤災害
〔問 6〕 通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 労働者が上司から直ちに2 泊3 日の出張をするよう命じられ、勤務先を出てすぐに着替えを取りに自宅に立ち寄り、そこから出張先に向かう列車に乗車すべく駅に向かって自転車で進行中に、踏切で列車に衝突し死亡した場合、その路線が通常の通勤に使っていたものであれば、通勤災害と認められる。
B 労働者が上司の命により、同じ社員寮に住む病気欠勤中の同僚の容体を確認するため、出勤してすぐに社員寮に戻る途中で、電車にはねられ死亡した場合、通勤災害と認められる。
C 通常深夜まで働いている男性労働者が、半年ぶりの定時退社の日に、就業の場所からの帰宅途中に、ふだんの通勤経路を外れ、要介護状態にある義父を見舞うために義父の家に立ち寄り、一日の介護を終えた妻とともに帰宅の途につき、ふだんの通勤経路に復した後は、通勤に該当する。
D マイカー通勤の労働者が、経路上の道路工事のためにやむを得ず通常の経路を迂回して取った経路は、ふだんの通勤経路を外れた部分についても、通勤災害における合理的な経路と認められる。
E 他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働が、いつもどおり親戚に子供を預けるために、自宅から徒歩10 分ほどの勤務先会社の前を通り過ぎて100 メートルのところにある親戚の家まで、子供とともに歩き、子供を預けた後に勤務先会社まで歩いて戻る経路のうち、勤務先会社と親戚の家との間の往復は、通勤災害における合理的な経路とは認められない。
- 正解D:テキストに当該事例はないが、常識で考えてこれが誤りのはずがないと判断できる。
- 正解以外
- A:テキストP156 で、過去問として出張中は業務災害に該当する事例の記載あり。
- B、C、Dは、該当する事例の記載はなし。
⇒市販テキストレベルでも解答は可能。
問7 業務災害の「再発」
〔問 7〕 業務起因性が認められる傷病が一旦治ゆと認定された後に「再発」した場合は、保険給付の対象となるが、「再発」であると認定する要件として次のアからエの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
ア 当初の傷病と「再発」とする症状の発現との間に医学的にみて相当因果関係が認められること
イ 当初の傷病の治ゆから「再発」とする症状の発現までの期間が3 年以内であること
ウ 療養を行えば、「再発」とする症状の改善が期待できると医学的に認められること
エ 治ゆ時の症状に比べ「再発」時の症状が増悪していること
A (アとイ) B (アとエ) C (アとイとエ)
D (アとウとエ) E (アとイとウとエ)
- 正解D:組み合わせ問題で難易度は高く、また、テキストではP157 で『再発は』『業務上の疾病として認められます。』とはあるが、その定義は記載されていない。
- 各選択肢
- ア:どの選択肢でも含まれていて判断の必要なし。
- イ:テキストでは記載なく、判断不可能。
- ウ:P162 で治ゆが『疾病が固定した状態』とあり、療養で改善が期待できなければ、治ゆの状態のままと判断できる。
- エ:テキストでは記載なく、判断不可能。
⇒ 解答は困難で、3択ぐらいまでしか絞れない可能性大。
問8 労働保険料の徴収
〔問 8〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 労災保険の適用事業場のすべての事業主は、労働保険の確定保険料の申告に併せて一般拠出金(石綿による健康被害の救済に関する法律第35 条第1 項の規定により徴収する一般拠出金をいう。以下同じ。)を申告・納付することとなっており、一般拠出金の額の算定に当たって用いる料率は、労災保険のいわゆるメリット制の対象事業場であってもメリット料率(割増・割引)の適用はない。
B 概算保険料を納付した事業主が、所定の納期限までに確定保険料申告書を提出しなかったとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官は当該事業主が申告すべき正しい確定保険料の額を決定し、これを事業主に通知することとされているが、既に納付した概算保険料の額が所轄都道府県労働局歳入徴収官によって決定された確定保険料の額を超えるとき、当該事業主はその通知を受けた日の翌日から起算して10 日以内に労働保険料還付請求書を提出することによって、その超える額の還付を請求することができる。
C 二以上の有期事業が一括されて一の事業として労働保険徴収法の規定が適用される事業の事業主は、確定保険料申告書を提出する際に、前年度中又は保険関係が消滅した日までに終了又は廃止したそれぞれの事業の明細を記した一括有期事業報告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
D 事業主が所定の納期限までに確定保険料申告書を提出したが、当該事業主が法令の改正を知らなかったことによりその申告書の記載に誤りが生じていると認められるとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官が正しい確定保険料の額を決定し、その不足額が1,000 円以上である場合には、労働保険徴収法第21 条に規定する追徴金が徴収される。
E 労働保険料の納付を口座振替により金融機関に委託して行っている社会保険適用事業所(厚生年金保険又は健康保険法による健康保険の適用事業所)の事業主は、労働保険徴収法第19 条第3 項の規定により納付すべき労働保険料がある場合、有期事業以外の事業についての一般保険料に係る確定保険料申告書を提出するとき、年金事務所を経由して所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出することができる。
- 正解E:口座振替による場合は年金事務所の経由は不可の旨はテキストに記載なし。
- 正解以外
- A:テキストP314で試験対策として『一般拠出金は。労働保険料ではありません。』と記載あり、労働保険料のメリット制の対象外と判断可能。
- B:テキストP.330で欄外発展として、『事業主が、確定保険料の認定決定を受けた日の翌日から起算して10日以内に』『超過額の還付を請求したときは』『その超過額を還付』とあり
- C:テキストP329欄外発展で『一括有期事業についての事業主は』『一括有期事業報告書を』『提出しなければならない』との記載あり
- D:テキストP.330で重要度Aの追徴金で、『労働保険料の額が1,000円未満であるときは、』『追徴金は徴収されません。』と記載あり
⇒テキストでは消去法で何とか解答可能。
問9 メリット制
〔問 9〕 労災保険のいわゆるメリット制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には、労働保険徴収法第12 条第3 項に規定する労災保険のいわゆるメリット制に関して、労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。
B 有期事業の一括の適用を受けている建築物の解体の事業であって、その事業の当該保険年度の確定保険料の額が40 万円未満のとき、その事業の請負金額(消費税等相当額を除く。)が1 億1,000 万円以上であれば、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となる場合がある。
C 有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業であって、その事業の素材の見込生産量が1,000 立方メートル以上のとき、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となるものとされている。
D 労働保険徴収法第20 条に規定する確定保険料の特例の適用により、確定保険料の額が引き下げられた場合、その引き下げられた額と当該確定保険料の額との差額について事業主から所定の期限内に還付の請求があった場合においても、当該事業主から徴収すべき未納の労働保険料その他の徴収金(石綿による健康被害の救済に関する法律第35 条第1 項の規定により徴収する一般拠出金を含む。)があるときには、所轄都道府県労働局歳入徴収官は当該差額をこの未納の労働保険料等に充当するものとされている。
E 労働保険徴収法第20 条第1 項に規定する確定保険料の特例は、第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額及び第二種特別加入保険料に係る確定保険料の額について準用するものとされている。
- 正解A:継続事業一括をした場合のメリット収支率についてはテキストには記載なし。
- 正解以外
- B:テキストP.332で欄外発展として、『一括有期事業の場合は』『確定保険料の額が40万円以上であることが必要』と記載あり、×と判断可能。
- C:テキストP339欄外発展で条件が『素材の生産量』とされている、確定保険料の補完要件なら実績であるはずで、テキストで×と判断可能
- D:テキストでは特に記載なし
- E:テキストでは特に記載なし
⇒解答は困難。
問10 保険料の徴収等
〔問 10〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 法人の取締役であっても、法令、定款等の規定に基づいて業務執行権を有しないと認められる者で、事実上、業務執行権を有する役員等の指揮監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を受けている場合には労災保険が適用されるため、当該取締役が属する事業場に係る労災保険料は、当該取締役に支払われる賃金(法人の機関としての職務に対する報酬を除き、一般の労働者と同一の条件の下に支払われる賃金のみをいう。)を算定の基礎となる賃金総額に含めて算定する。
B 労災保険に係る保険関係が成立している造林の事業であって、労働保険徴収法第11 条第1 項、第2 項に規定する賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、所轄都道府県労働局長が定める素材1 立方メートルを生産するために必要な労務費の額に、生産するすべての素材の材積を乗じて得た額を賃金総額とする。
C 労災保険に係る保険関係が成立している請負による建設の事業であって、労働保険徴収法第11 条第1 項、第2 項に規定する賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、その事業の種類に従い、請負金額に同法施行規則別表第2 に掲げる労務費率を乗じて得た額を賃金総額とするが、その賃金総額の算定に当たっては、消費税等相当額を含まない請負金額を用いる。
D 健康保険法第99 条の規定に基づく傷病手当金について、標準報酬の6 割に相当する傷病手当金が支給された場合において、その傷病手当金に付加して事業主から支給される給付額は、恩恵的給付と認められる場合には、一般保険料の額の算定の基礎となる賃金総額に含めない。
E 労働者が業務外の疾病又は負傷により勤務に服することができないため、事業主から支払われる手当金は、それが労働協約、就業規則等で労働者の権利として保障されている場合は、一般保険料の額の算定の基礎となる賃金総額に含めるが、単に恩恵的に見舞金として支給されている場合は当該賃金総額に含めない。
- 正解B:テキストP315で、立木の伐採以外の林業は『厚生労働大臣が定める平均賃金』と記載あり。また造林で「生産するすべての素材」は意味が通らないので、容易に解答可能。
⇒市販テキストで正答可能。
市販テキストでは5問~6問程度は正解可能
問1、問6、問8、問10 はテキストでも解答が可能でした。
2022年の労災法は事例問題も多く、テキストだけでは苦戦の結果でした。
残りの問題で1問ぐらいは正解できるとして、「労働者災害補償法では4問~5問が正解できる」という結果になりました。

今回は、労働者災害補償法(労災法)について、市販テキストで突破できるか見て決ました。足切りの4点はなんとか確保できそうです。ただ、7割は市販テキストではかなり難しいという結論となりました。
次回の第3回は雇用保険編です。



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